犬は写真映えがします。レインコートも高級そうに見えます。冒頭のバナーは、雑誌に載っていてもおかしくありません。
ところが、あるお客様が「このコートの下にハーネスを着けられる穴はありますか」と尋ねます。ページのどこにも、その答えはありません。
丁寧に作り込んだ商品ページにこうしたあいまいさを残すと、代償は小さくありません。お客様はページを離れるか、推測で判断するか、商品では応えられない期待を持ったまま購入するかもしれません。雰囲気のある写真を増やしても、この問題は解決しません。
ペットアパレルのブランドにとって役に立つA+のブリーフは、お客様がしなければならない判断から始まります。ビジュアルの役割は、その判断をわかりやすくすることです。
AmazonにはいくつかのA+の形式があり、使える機能は利用資格とコンテンツの種類によって異なります。PremiumにはQ&Aやインタラクティブなモジュールなどがあり、Basicでは画像とテキストのコンテンツを作成できます。レイアウトを発注する前に、自分のアカウントで実際にどの形式が使えるかを確認してください。
以下のフレームワークは編集部としての推奨で、どのモジュールが使えるかにかかわらず活用できます。
購入の判断を左右する懸念から始める。
セージ色の犬用レインコートを想定します。背中に開口部があり、お腹のベルトは調整でき、表地に裏地は付いていません。これは説明のためのSKUで、実在するブランドの商品について述べたものではありません。
「セージ色はありますか」という質問は、選択中のカラーで簡単に答えられます。「うちのハーネスを下に着けられますか」には、より慎重な答えが必要です。「暖かいですか」という質問からは、そのお客様がそもそも別の種類の商品を探していることがわかるかもしれません。
自社の問い合わせ対応、商品に関する質問、返品理由を見直しましょう。情報を求める質問と、商品の不具合とは分けて考えます。図解で留め方は説明できますが、壊れる留め具を直すことはできません。
次に、答えていない疑問を、誤解されたときの影響の大きさで順位づけします。質問の多さも参考になりますが、あまり聞かれない疑問でも、思い込みによって購入がまったく合わないものになるなら、スペースを割く価値があります。
モジュールより先に、根拠を割り当てる。
このレインコートの場合、コンテンツのブリーフは次のようになります。
| お客様の判断 | 用意する根拠 | 文章ではっきりさせること |
|---|---|---|
| 手持ちのハーネスと一緒に使えるか | 想定する組み合わせで撮影した、背中の開口部の実物写真 | 開口部の位置と、実際に確認した組み合わせ |
| どのサイズを選べばよいか | 確認済みのサイズ仕様に基づく採寸図 | どこを測るか、どの寸法を基準に選ぶか |
| 冬用のコートなのか | 表地と裏地まわりの実物のディテール写真 | 中綿や裏地があるかどうか |
| どうやって留めるのか | 実物のベルトを開いた状態と閉じた状態の写真 | 留め具の位置と調整方法 |

編集部オリジナルのフレームワークで、企画の一例です。商品の事実と利用できるA+モジュールは、必ずご自身で確認してください。
根拠がはっきりすれば、クリエイティブチームが新たに考え出すべきことはそれほど多くありません。仕事は構図、強調、説明になります。「あらゆる冒険に上質な快適さを」という言葉より、目に見える構造のディテールと、それに添えた具体的な一文のほうが役に立ちます。
併用できるかどうかについては、実際に確認した組み合わせだけを説明します。あるハーネスをコートの下に着けた写真が1枚あっても、すべてのハーネスが合うことにはなりません。役に立つ具体性とは、どこまでが確認済みかという境界を見せることです。
美しい繰り返しより先に、難しい判断を置く。
冒頭のライフスタイル画像で、使う場面を伝えることはできます。その後は、メイン画像のギャラリーではまだ答えていない情報をお客様に届けましょう。
このSKUなら、生地の話より先にハーネスとの併用を扱うのがよいかもしれません。いつも使っているハーネスが使えないとわかったお客様には、表地のクローズアップをもう1枚見る理由がありません。商品によっては、逆の順番が合うこともあります。サイズ選びが簡単な飾り用のバンダナなら、スタイリングと素材から始めるのも自然です。
Amazonのデザインガイドでは、PremiumのQ&Aをほかのモジュールと区別しており、モバイル表示のプレビュー手順も用意されています。また、A+コンテンツでは販促に関する記載、外部リンク、競合との比較に制限があります。これらはプラットフォーム側の条件です。ここで提案している疑問の順番は、マーチャンダイジング上の選択です。
商品を手元から離して、ページを見直す。
その商品をよく知らない人に、どう留めるのか、どうサイズを選ぶのか、何が同梱されているのかを説明してもらいます。説明の手助けはせず、ページだけを使ってもらいます。どこで迷ったか、何を誤解したかを記録します。
これは理解度の確認であり、コンバージョンが上がった証拠ではありません。コンテンツにさらに費用をかける前に、足りない説明を見つけられることに価値があります。
私たちは、AIでペットのスタイリングのコンセプトを作るTuftyを開発しています。このようなワークフローでは、コンセプト画像はシーンの検討に役立ちます。ただし、事実の説明を担うのは、あくまで写真、寸法、確認済みの商品情報です。
この取り組みにも、ほどよい限度があります。A+では、不正確なタイトル、わかりにくいバリエーションの選択肢、商品そのものの弱さは直せません。考えられる疑問のすべてを、文章のブロックにする必要もありません。商品が合うかどうかに大きく関わる疑問だけを残し、それ以外は削りましょう。
美しいページは注目を集めます。役に立つページは、その注目に行き先を示します。次のバナーを承認する前に、この文を完成させてください。「これを見たお客様は、……かどうかを判断できる」
答えがまだあいまいなら、ブリーフはまだ完成していません。
